【マーブル紙と模様の魅力】

【HN:キタチャン】
最近、「マーブル紙」を使った印刷の仕事がありました。
マーブル紙とは、大理石のような独特な模様が入った紙のことです。
もともとは西洋の製本装飾で使われていた「マーブリング」という技法に由来するといわれています。
マーブリングは、液体の表面に絵の具を浮かべ、その模様を紙に写し取る技法です。
同じ模様を二度と作ることが難しく、偶然によって生まれる美しさがあります。
このマーブル模様は、かつて洋式帳簿の小口にも使われていました。
帳簿のページの断面に複雑な模様を付けることで、ページが抜き取られたり差し替えられたりした場合に、模様のずれで分かるようにするためです。
つまり、マーブル模様は単なる装飾ではなく、帳簿の改ざん防止という実用的な役割も持っていました。
その名残を感じさせるものが、現在でも伝票などの背を巻く「マーブル巻き」です。
普段何気なく見ているあの模様にも、製本や帳簿の歴史が隠れていると思うと、少し見方が変わります。
私自身も、マーブルの技法を使った作品をたまに作ります。
描くというよりは、水面に浮かんだ模様を紙に写し取る感覚に近いかもしれません。
思い通りに作ろうとしても、絵の具の広がり方や混ざり方は毎回違います。
その偶然性が、マーブル模様の面白さでもあります。
あのゆらゆらとした模様を見ていると、どこか癒されます。
印刷や製本の仕事をしていると、紙は情報を伝えるための素材として見ることが多いですが、マーブル紙を見ると、紙そのものが模様や歴史をまとった表現物でもあるのだと感じます。
伝票の背にある何気ないマーブル模様にも、実は奥深い世界があります。
身近な紙の中にも、まだまだ知らない歴史と楽しみ方が隠れているものです。


